当院でよくみられる感染症と熱性けいれんの解説です。クリニックでの説明では不十分なことがあります。ご参考にしていただけると幸いです。
赤ちゃんにRSウイルスやヒトメタニューモウイルスなどのかぜウイルスが感染して、ゼイゼイと息苦しくなる病気です。 寒い季節に多くみられますが、夏でも流行することも多いです。 せきや鼻みず、鼻づまりなどのかぜの症状で始ります。はじめは普通の風邪と同じですが、発熱がつづき、咳がひどくなり、ゼイゼイと苦しそうな咳になっててきます。 2歳以上の幼児では1週間程度のかぜの経過でなおりますが、ゼーゼーする子供もいます。6か月未満の赤ちゃんは重症しやすく、2か月未満の赤ちゃんでは入院して様子を見ることが多いです。
エプスタイン・バーウイルス(EBV)の感染によります。多くは3歳頃までに知らないうちにかかっており(不顕性感染)発症しませんが、20%程度の方が4~7歳頃に発病します(顕性感染)。 高熱と首のリンパ節の腫大と喉の痛みがあります。白血球の中に単核球が増えるため伝染性単核球症と呼ばれます。潜伏期は30日ー50日と長いです。
普通のかぜ症状と違い 発熱 つらそうにしてる 頭痛や関節痛などで始まります。
インフルエンザは2回熱がでること(二相性発熱)が多いです(下図)。このため発熱初日に迅速検査陰性で様子を見るようにいわれ、次の日に熱がさがるため
違うと勘違いすることがあります。4日5日で再度発熱し、やはりインフルエンザだったことが判明することが多くあります。2回目の発熱のとき咳など悪化しますが、1週間すぎからよくなってきます。
ロタウイルスやノロウィルスなどによる嘔吐下痢症です。家族にもうつることが多いです。突然吐き始め、 熱か出ることも多いです。乳幼児では続いて、水のような下痢がは1〜2週間つづくこともあります。
耳の下の唾液腺(耳下腺)が腫れて、少し痛みます。3割り方は一側だけですが、7割のかたはおくれて両側が腫れます。
下顎の唾液腺(顎下腺)や舌下腺も腫れることがあります。
初めての腫れの多くはおたふくかぜウイルスによる流行性耳下腺炎ですが、反復性・化膿性耳下腺炎のこともあります。
くりかえし腫れるかたは反復性耳下腺であり血液検査でおたふくかぜないことを確認できます。
●ムンプスウイルスが、喉や鼻から入って起こります。
●潜伏期は2~3週間です。
●幼稚園児や小学生がかかりやすい病気です。
●感染しても発病しないことが30~40%もあります。(不顕性感染)
口腔内(頬の内側や舌)に白苔(白い斑点)がつきます。ミルクかすのようですがふいてもとれません。痛くはないですが、食欲がおちることがあります。
しらみの卵は髪毛のフクのようにみえます。フケは指でしごくととれますが、しらみの卵は動きません。 これでフケと区別できます。 また暖かいところをこのむため、髪の頭皮側方に卵は多くみつけられます。
水をもった赤い発疹が、口の中から陰部、頭の中ま
で全身に出ます。発疹は2~3日でピークとなり、
平均して1週間程度でよくなります。
潜伏期は2週間です。発疹がでる2週間前に水痘または帯状疱疹の方から感染しました。
ご家族は2週間後に発症する可能性があります。
みずぽうそうに一度かかったことのある子が。何年かたって再発したのが帯状庖疹です、他の人からうつったのではありませんが 、他の人にうつります。うつされた人は。みずぼうそうになります。
カゼをきっかけに、鼓膜の奥に菌が入り、うみがたまると中耳炎になります。なかなか熱がさがらない、不機嫌、耳に手をやる、耳が痛い、などの ときは中耳炎を疑い、鼓膜をみます。中耳炎は、急に腫れて、すごくゆっくり治ります。
手のひら、足のうら、おしり、ひざ、口の中に小さな水ぶくれができる病気です。乳幼児のあいだで流行します。 3種のウイルスが知られていてひと夏で何回もなることもあります。熱はたいていありませんが、 ときに高熱が出ることがあります。手足の水ふくれは痛がりませんが、口の中が痛くて食べられなくなることがあります。
4か月頃から2歳頃までにかかります。
原因はウイルス(おもにヒトヘルペスウイルス6、7)が原因です。このため2回突発性発疹をすることがあります。
鼻にブドウ球菌がひそんでおり、鼻の下からとびひが始まることがおおいです。最初は水ぶくれができます。 水ぶくれはすぐに破れて、膿のついたジュクジュクしたびらんになり、その後かさぶたがつきます。
尿の通り道(尿路)のうち、腎盂に感染がおきた場合を腎盂腎炎、膀胱に感染がおこった場合を膀胱炎といいます。こどもの場合は診断が難しいのでまとめて 尿路感染症といいます。診断には、尿の検査が必要です。乳幼児は頻尿などを教えてくれませんので、発熱がつづき、咳やのどが赤くない子供や血液検査で 細菌感染を疑われる子供は尿路感染症を疑います。採尿パックを張って尿がでるのを待って検査します。尿に白血球や細菌の認めれば、入院が必要です。 入院中は抗生剤投与と尿路に異常がないか調べることになります。
体温が上昇するときひきつけを起こします.目がへんな方向をむき 体が硬直ないし手足がんがんと運動します。 通常5分以内に止まります。 まだよくわかっていませんが、遺伝的な傾向があります。 ひきつけを起こしやすい年齢は10か月~5歳で かぜで熱が出たときに多く起こります。
乳幼児では4種混合の予防捕種を受けていない子がかかります。赤ちゃんにとっては危険な病気です。初めはかぜとかわりません。
薬を飲んでも
次第に咳が多くなり、顔を赤にしてヒーとせきこむようになります(ひきこみ)。ひきこみは夜多く数十回におよびます。
乳児では入院も必要です。
小学校以上では、3種混合予防接種の効果きれてくるため、感染しやすくなり、高学年ほど症状が重くなりやすいです。
熱もなく2週間以上咳がつづき悪化する場合は百日咳を疑う必要があります。
アデノウイルスが原因です。のどや鼻の迅速検査で診断されます。 夏にプールを介して学童のあいたに流行するのでプール熱の名がありますが、冬でもあります。39~40℃の高熱が4~5日続き、のどにコートがつき、目も赤くなることもあります。さらに頭痛、はき気、腹痛、下痢を伴うこともあります。
乳幼児のあいだで流行する夏かぜの一種で、38~40℃の熱が2~3日続きます。のどの奥に小さな水ぶくれができて痛いので、
食べられなくなります。ひどいときは水分も
飲めなくなり、脱水症になることがあります。
ヘルペスというウイルスの感染でおこります。38~40℃の高熱が続き、口の中に小さい潰瘍ができてとても痛がります。歯ぐきが赤く腫れて出血します。 口の中が痛いので食べられず、よだれが多くなります。ひどいときは水分も飲めなくなり、脱水症になることがあります。熱は4~5日でおさまりますが、 口の中の痛みや腫れは1週間ぐらい続きます。
マイコプラズマという病原体によっておこる肺炎で、幼児や学童に多くみられます。 咳が強く、たんも出ることが多いです。熱がでないことも多いです。薬で、咳がなかなか治まらない場合は、マイコプラズマ肺炎を疑ってください。 成人では3-4週間でよくなってくることが多いのですが、乳幼児では重症化することもあり治療が必要です。
溶連菌という細菌がのどに感染して、のどの痛み。発熱、体や手足の発疹などが出ます。舌はイチゴのようになります(イチゴ状舌)。 うつる病気です。
ほっへがりんごのように赤くなるので、りんご病とよばれています。太ももや腕にはまだら模様ができます。頬がほてったり少しかゆくなることもあります。 自然に治リますが、かゆみが強いときはかゆみ止めを処方します。