当院でよくみられる感染症と熱性けいれんの解説です。クリニックでの説明では不十分なことがあります。ご参考にしていただけると幸いです。
赤ちゃんにRSウイルスウイルスが感染して、ゼイゼイと息苦しくなる病気です。 寒い季節に多くみられますが、夏でも流行することも多いです。 せきや鼻みず、鼻づまりなどのかぜの症状で始ります。はじめは普通の風邪と同じですが、発熱がつづき、咳がひ著くなり、ゼイゼイと苦しそうな咳になっててきます。 2歳以上の幼児では1週間程度のかぜの経過でなおりますが、ゼーゼーする子供もいます。6か月未満の赤ちゃんは重症しやすく、2か月未満の赤ちゃんでは入院して様子を見ることが多いです。
呼吸が苦しそうなときは、体を起こし、背中を強くたたいたり、たんをだしてください。
鼻がつまっているときは、綿棒でそうじしたり、鼻みずを吸い取つてみましょう。
部屋を加湿してください。
飲みがよくないときは、母乳やミルクの1回量を少なくして、何回にも分けて与えましょう。
病状の蛮化を見きわめることが大切です。毎日、鼻吸引が必要な乳児もいます。
ゼイゼイ。ヒューヒューしている。
胸やおなかをヘコヘコさせて陥没呼吸をしている。
母乳やミルクの飲みが悪いとき
せきや鼻みず、鼻づまりなどのかぜの症状で始まります。はじめは普通の風邪と同じですが、発熱が6日程度つづき、咳がひどくなり、ゼイゼイと苦しそうな咳になってきます。 2歳以上の幼児では1週間程度のかぜの経過でなおりますが、 クループになる方もいます。
呼吸が苦しそうなときは、体を起こし、背中を強くたたいたり、たんをだしてください。
鼻がつまっているときは、綿棒でそうじしたり、鼻みずを吸い取つてみましょう。
部屋を加湿してください。
飲みがよくないときは、母乳やミルクの1回量を少なくして、何回にも分けて与えましょう。
病状の蛮化を見きわめることが大切です。毎日、鼻吸引が必要な乳児もいます。
ゼイゼイ、ヒューヒューしている。
犬のようなせき、オットセイのせきで苦しそう
胸やおなかをヘコヘコさせて陥没呼吸をしている。
母乳やミルクの飲みが悪いとき
発熱が6日以上つづくとき
エプスタイン・バーウイルス(EBV)の感染によります。多くは3歳頃までに知らないうちにかかっており(不顕性感染)発症しませんが、20%程度の方が4~7歳頃に発病します(顕性感染)。 高熱と首のリンパ節の腫大と喉の痛みがあります。白血球の中に単核球が増えるため伝染性単核球症と呼ばれます。潜伏期は30日ー50日と長いです。
高熱:1週間以上続くことがあります。
リンパ節腫大:首、わきの下、鼠径部のリンパ腺が腫れます。特に頸部リンパ節腫脹が著しいです。
咽頭・扁桃炎:喉の痛み、物を飲み込む時に痛みがあります。扁桃に白い膜のようなものがつきます。
肝臓・牌臓の腫れ:大部分の患者さんで認めます。
年長児では゛体がだるい”、“食欲がない”など訴えます。全身が発疹や上まぶたがむくみがあることがあります。
迅速検査は現在ないため、EBVに対する固有の抗体を調べることで診断確定しますが、通常1週間程度結果がでるまでかかることがあります。
安静第一です。ひ臓のはれがなくなるまで激しい運動は中止します。
高熱、喉の痛みには鎮痛・解熱剤を使ってもかまいません。
安静にしていれば自然に治癒します。
とくに後遺症はありませんが、非常にまれですが、重症な神経合併症をひき起こしたり、牌臓が破裂することがあります。
普通のかぜ症状と違い、発熱、つらそうにしてる、頭痛や関節痛などで始まります。
インフルエンザは2回熱がでること(二相性発熱)が多いです(下図)。このため発熱初日に迅速検査陰性で様子を見るようにいわれ、次の日に熱がさがるため違うと勘違いすることがあります。4日5日で再度発熱し、やはりインフルエンザだったことが判明することが多くあります。2回目の発熱のとき咳など悪化しますが、1週間すぎからよくなってきます。
インフルエンザかどうかを外来で迅速診断することができます。診断がつき早期に治療薬を飲み始めれば、症状を軽くすませることができます。ただし、発熱初日では検査でわからないこともあり注意が必要です。
休む:家で安静をとることが一番大切です。
食事:子どものすきなもので消化のよいものを与えます。水分を十分にとるように心がけてください。
入浴:お風呂でサッパリさせるのはかまいません。
発熱した日を0日と数え、5日はお休みです。また熱が2日間(幼児では3日間)ないことも必要です。
ロタウイルスやノロウイルスなどによる嘔吐下痢症です。家族にもうつることが多いです。突然吐き始め、熱が出ることも多いです。乳幼児では続いて、水のような下痢が1〜2週間つづくこともあります。
薬も処方しますが、家庭での水分補給が大切です。吐き続けるときや脱水が強いときは、点滴や入院が必要になります。
吐いたら飲むな:吐き気が強いあいだは何も飲ませない。とても重要です。
まずは水分から:吐き気がおちついてきたら水分を少しずつ飲ませる。(オーエスワン、アクアライト、50%りんごジュースなど)
スプーン1杯(5ml)から始め、5分間隔で様子を見ながら、少しずつ量を増やしてください。
病院から戻ってからも、吐き続けるとき
元気がなく、顔色がわるいとき
唇が乾いて、おしっこが少ないとき
耳の下の唾液腺(耳下腺)が腫れて、少し痛みます。3割の方は一側だけですが、7割のかたはおくれて両側が腫れます。下顎の唾液腺(顎下腺)や舌下腺も腫れることがあります。初めての腫れの多くはおたふくかぜウイルスによる流行性耳下腺炎ですが、反復性・化膿性耳下腺炎のこともあります。くりかえし腫れるかたは反復性耳下腺炎であり、血液検査でおたふくかぜではないことを確認できます。
● ムンプスウイルスが、喉や鼻から入って起こります。
● 潜伏期は2〜3週間です。
● 幼稚園児や小学生がかかりやすい病気です。
● 感染しても発病しないことが30〜40%もあります(不顕性感染)。
耳の下が痛い時は冷やしてあげてもかまいません。
酸っぱいものや果汁は、耳下腺の痛みを強くするので避けましょう。
高熱、頭痛、嘔吐がある時は、髄膜炎の合併が考えられるので、すぐに診察してもらいましょう(髄膜炎の治療をすれば、あまり心配することはありません)。
口腔内(頬の内側や舌)に白苔(白い斑点)がつきます。ミルクかすのようですが拭いても取れません。痛くはないですが、食欲が落ちることがあります。
フロリードゲルを毎日塗ります。飲み込んでもかまいません。哺乳瓶などは熱湯消毒してください。
カンジダ性のおむつかぶれを併発していることがあります。下痢もないのにブツブツがおまたにあれば、疑ってください。普通のおむつかぶれではないことがあります。こちらにも専用の塗り薬を塗ります。
のど(咽頭)の奥から気管の始まるまでの部分を指します。気道で一番狭い部分です。食物が気管に入らないようにすること、声を出すことが主な働きです。
喉頭を中心とする部位の急性の炎症により気道が更に狭くなり、空気が十分に吸い込めなくなり、呼吸が困難になります。声帯の腫れのため特有の咳や声がすれがみられます。生後3か月から6~7歳のこどもにみられ、寒い季節に多く発症します。重症な場合には、窒息する危険性もあります。
喉頭炎を起こす原因はウイルスが主なものですがアレルギーが関係する場合もあります。頻度は少ないですが、細菌性の場合は喉頭蓋炎(こうとうがいえん)を起こし、気管内挿管で呼吸を確保することがあります。
いままで聞いたことないせき!(犬の遠吠えあるいはオットセイの鳴き声)のような咳が出るようになります。のどを痛がり、息苦しさを訴えることがあります。息を吸うのが苦しくなりゼーゼーします。喘息発作では吐くときにゼーゼーしますが、クループでは吸うときに音がします。夜になり急に症状があらわれることが多いです。
● 息を吸うときに、のどの付け根や胸をへこませる呼吸(陥没呼吸)をする。
● 脈拍が非常にはやくなる。
● 顔色や唇の色が紫がかった色になる(チアノーゼ)。
● 水が飲み込めなくなり、口を開け、舌を出した状態でよだれが出る。
● 起き上がって顎を前に、頭を後ろにし、口を開けてあえぐような呼吸をする。
喉頭の腫れを引かせる薬液の吸入をします。ステロイドのシロップ内服でよくなることも多いです。
加湿をします。必要により酸素を吸わせます。緊急を要する症状がみられる場合、入院して気道確保をします。
加湿器を用いたり、室内に洗濯物を干して加湿します。寝かせるときは、肩枕を入れたり体を起こしたりすると呼吸が楽になります。安静にして、顔色や呼吸の状態を観察することが重要です。
シラミの卵は髪の毛のフケのように見えます。フケは指でしごくと取れますが、シラミの卵は髪の毛にしっかりと固着して動きません。これでフケと区別できます。また、暖かいところを好むため、耳の後ろや後頭部などの髪の根元近くに卵が多く見つけられます。
専用の駆除シャンプー(スミスリンシャンプーなど)を使用します。これを3日に1回、計3~4回繰り返しましょう。また、シャンプーに付属している専用の「梳き櫛(すきぐし)」や、ネット通販等で市販されているステンレス製の専用細目のくしを使って、髪についた卵を丹念にすくい取ってあげることが非常に効果的です。親子のコミュニケーションを兼ねて、優しく取ってあげてください。
熱(60℃以上)でシラミを死滅させることができます。枕カバー、シーツ、帽子、タオルなどは60℃以上のお湯に約10分間つけるか、衣類乾燥機を使って殺虫・殺卵しましょう。また、目の細かいヘアブラシを共有するのは避けてください。
アタマジラミと診断されたら、集団感染を防ぐために園や学校にも必ず知らせましょう。
水をもった赤い発疹が、口の中から陰部、頭の中まで全身に出ます。発疹は2~3日でピークとなり、平均して1週間程度でよくなります。
潜伏期間は約2週間です。発疹が出る約2週間前に、水痘または帯状疱疹の方から感染しました。ご家族に免疫がない場合、約2週間後に発症する可能性があります。
抗ウイルス薬(内服薬)と、かゆみを抑える軟膏(カチリなど)を処方します。
かゆみ対策:ひっかいてかき壊さないように、爪は短く切っておきましょう。
入浴:熱があるときや発疹がジュクジュクしているときは控え、落ち着いたらシャワーでさっと汗を流す程度にするのはかまいません。
● 発疹が赤く腫れて化膿したとき
● ぼんやり、ぐったりして元気がないとき
● 発熱が4日以上続くとき
すべての発疹が完全に「かさぶた(痂皮化)」になるまで出席停止となります(通常5~7日間程度)。医師の診察を受けてから登園・登校してください。
まだかかっていないご兄弟への中央感染を防ぐために、接触後72時間以内に緊急で予防接種を行うことで、発症を予防したり軽症化させたりする方法もあります。注射のタイミングや効果についてはお早めにご相談ください。
みずぼうそうに一度かかったことのある子が、何年かたって体内に潜伏していたウイルスが再活性化して発症したのが帯状疱疹です。他の人からうつったのではありませんが、みずぼうそうの免疫がない他の人にうつす可能性はあります。うつされた人は、帯状疱疹ではなく「みずぼうそう」として発症します。
知覚神経の走行に沿って小さな水疱(水ぶくれ)が出ます。このため体の右側か左側のどちらか片側だけに、帯状に現れます。大人はとても痛がりますが、子どもはあまり痛がらないことが多いです。通常は1週間から10日ほどで治ります。
原因であるウイルスを抑える抗ウイルス薬(内服薬や塗り薬)を処方します。痛みが強い場合には、必要に応じて痛み止めを処方することもあります。
すべての水疱が完全にかさぶた(痂皮化)になるまで、または水疱が衣服で完全に覆われていれば登園・登校可能です。目安としては1週間程度です。主治医にご相談ください。
カゼをきっかけに、鼓膜の奥に菌が入って膿(うみ)がたまると中耳炎になります。なかなか熱が下がらない、不機嫌、耳に手をやる、耳が痛い、などのときは中耳炎を疑い、鼓膜を診ます。中耳炎は急に腫れて、すごくゆっくり治るのが特徴です。
まずは痛みを止める:耳を痛がるときは、まずは冷やしたり解熱鎮痛薬(座薬や内服)を使って痛みを和らげてあげましょう。
ほとんどの中耳炎は抗生剤を使わずに治りますが、腫れが非常に強い時は抗生剤を処方します。また、鼻水止めの薬は飲んでも飲まなくても経過はあまり変わりません。
鼻水が多いなと感じたら、こまめに鼻を吸ってあげましょう。お家で吸い切れない時は、お気軽に当院へお越しください。鼻汁が多量で鼻が詰まっている乳児に対しては、当院では朝晩の鼻の掃除(鼻の吸引)を行っています。鼻の通りをよくしておくと、中耳炎も早く治ります。
手のひら、足のうら、おしり、ひざ、口の中に小さな水ぶくれができる病気です。主に対象は乳幼児で、夏に流行します。原因となるウイルスにはいくつかの種類(コクサッキーウイルスやエントロウイルスなど)があるため、ひと夏の間に何回もかかることがあります。熱は出ないことが多いですが、ときに高熱が出ることもあります。手足の水ぶくれはあまり痛がりませんが、口の中の口内炎が痛くて食べられなくなることがあります。
特別な抗ウイルス薬はないため、治療をしなくても自然に治る場合がほとんどです。熱や口の中の痛みが強いときは、症状を和らげるためのお薬(解熱鎮痛薬など)を処方します。
食べ物・飲み物:口の中が痛いときは、しみないものを与えましょう。熱いもの、塩味や酸味の強いもの、かたいものは控えます(冷たいスープ、ゼリー、プリン、アイス、冷ましたお粥やうどんなどがおすすめです)。
入浴:熱がなく、元気があればお風呂に入ってもかまいません。
● 口の中が痛くて水分をあまり飲めないとき(脱水の心配があります)
● 高い熱が何日も続くとき
● 吐き気があり、ぐったりしているとき(髄膜炎などの合併症の注意が必要です)
熱が下がり、口の中の痛みが治まって普段通りの食事がとれるようになり、元気があれば登園・登校してもかまいません。手足口病は症状が治まった後も、数週間にわたって便の中にウイルスが排出されるため、一律の発症後の出席停止期間は定められていません。
生後4か月頃から2歳頃までにかかりやすい病気です。原因はヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)やヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)というウイルスです。これらは別のウイルスであるため、一生の間に2回突発性発疹にかかることがあります。
生まれて初めて出す高い熱のことが多く、急に39℃前後の高熱が3〜4日間続きます。熱のわりには比較的元気なことが多いのも特徴です。咳や鼻水などの風邪症状はほとんど目立たず、約半数の赤ちゃんに下痢や軟便がみられます。
熱は3〜4日するとストンと平熱まで下がります。それとほぼ同時、あるいは半日ほど遅れて、お腹や背中を中心に全身に赤い発疹(ブツブツ)が広がります。発疹は2〜3日で自然に消え、痕(あと)は残りません。約1週間の経過で大部分は自然に治ります。
熱が下がって発疹が出る頃に、赤ちゃんが非常に激しくぐずったり、不機嫌になったりすることが多く、「不機嫌病」とも呼ばれます。お母さんやお父さんはとても大変ですが、病気が治りかけているサインですので、抱っこなどをして優しく付き合ってあげてください。数日で必ず落ち着きます。
正式には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と言います。鼻の中にブドウ球菌がひそんでおり、鼻をいじった手で皮膚の傷口を触ることで、鼻の下からとびひが始まることが多いです。最初は小さな水ぶくれができます。この水ぶくれはすぐに破れて、膿のついたジュクジュクした「びらん(皮膚がむけた状態)」になり、その後かさぶたがつきます。
飲み薬:抗菌薬(抗生物質)を飲んで、体の中から化膿菌をやっつけます。症状が良くなったように見えても、指示された通りに最後まで飲みきってください。
塗り薬:抗菌薬の入った軟膏を塗ります。毎日2~3回、患部を清潔にした後に塗り直してください。
近年では、一般的な抗生物質が効きにくい耐性菌(MRSAなど)が原因となるケースが増えています。他院での治療でなかなか良くならない場合や、かえって悪化してしまったという方も多く見受けられますので、いつでもご相談ください。原因菌に合わせた適切なお薬を選択します。
● 患部をよく洗う:シャワーで石けんをよく泡立て、患部をごしごし擦らずに優しく洗い流してください。その後、水分を拭き取ってから軟膏を塗ります。
● 引っかき防止:爪は短く切り、毎日何度も石けんで手を洗いましょう。患部を触った手で他の場所を触ると、文字通り「とびひ」して広がってしまいます。
● 入浴:湯船に入るとお湯を介して兄弟などにうつる可能性があるため、シャワーで済ませるか、入る場合は家族の最後に入りましょう。タオルや服の共有は避けてください。
かき壊した患部をガーゼや包帯できちんと覆っていれば、登園・登校してもかまいません。ただし、範囲が広い場合や全身に広がっている場合はお休みが必要なこともあります。
プールについて:ジュクジュクした皮膚の傷からプール水を通じて他の子に感染させる恐れがあるため、完全に治るまではプールや水遊びは禁止です。
おしっこの通り道(尿路)に細菌が入り込んで炎症を起こす病気です。腎臓の奥(腎盂)に感染が起きた場合を「腎盂腎炎(じんうじんえん)」、膀胱に感染が起こった場合を「膀胱炎(ぼうこうえん)」と言います。子どもの場合は症状からの区別や診断が難しいため、まとめて尿路感染症と呼びます。
乳幼児は「おしっこをするときに痛い」「回数が多い」といった症状を言葉で教えてくれません。そのため、「風邪の症状(咳や鼻水)がないのに高熱が続く」「喉が赤くないのに熱が下がらない」、あるいは血液検査で強い炎症反応が出たときにこの病気を疑います。
正確な診断には尿検査が不可欠です。まだおむつが外れていない赤ちゃんの場合、おまたに専用の「採尿パック」を貼り、おしっこが出るのを待って検査を行います。
尿検査で尿の中にたくさんの白血球や細菌が認められた場合、特に赤ちゃんが高熱を出している(腎盂腎炎が疑われる)ケースでは、原則として入院治療(点滴での抗菌薬投与)が必要となります。また、入院中は治療と並行して、生まれつき尿路の形に異常(尿が逆流する奇形など)がないかを詳しく調べるための超音波検査などを行うことになります。
急激に体温が上昇するときに「ひきつけ(けいれん)」を起こす病気です。目が固定したり変な方向を向いたり、体が硬直したり、手足をガクガクと規則的に動かしたりします。通常は5分以内に自然に止まります。
まだ原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な傾向があることが知られています。起こしやすい年齢は主に生後6か月から5歳頃までで、風邪や突発性発疹などで熱が出たときに多くみられます。
まず保護者の方が落ち着くことが一番大切です。以下の対応を行いながら様子を見てください。
● 平らな場所に寝かせる:ベッドからの転落や周囲の物にぶつかる危険のない安全な場所に寝かせます。
● 衣服を緩める:首まわりなどの衣服を緩めて、息を吸いやすくします。
● 顔を横に向ける:吐いたものが喉に詰まったり、気管に吸い込まれたりしないよう、体や顔をそっと横に向けます。
● 口に物を入れない(絶対厳禁):舌を噛むことはありません。強引に口の中に指やタオル、箸などを詰め込むのは、窒息や窒歯の危険があるため絶対にやめてください。
● 時間を測る:何分間けいれんが続いたか、どのような様子(左右対称かなど)だったかを静かに観察し、メモしておきます。スマートフォン等で動画を撮影しておくと診察の際に役立ちます。
● けいれんが5分以上続いているとき
● けいれんが一度止まったのに、意識が戻らないまま2回目が始まったとき
● 体の半分だけ(左右非対称)が強くけいれんしているとき
大部分のお子さんは小学校入学前までに自然と起こさなくなります。脳の未熟な部分が成長するためです。ごく一部のお子さんで後に「てんかん」の診断がつく場合がありますが、その場合は専門の適切な治療を行えば心配ありません。
多くの熱性けいれんは短時間で終わる「単純型」であり、一度起こしても脳に影響はないため、普段から予防薬を使う必要はありません。
【重要なお願い】
一部の鼻水止めの薬(抗ヒスタミン薬)は、けいれんを誘発しやすくしたり、けいれん時間を長引かせたりする副作用があるため、熱が出そうなときや熱があるときは自己判断で使用しないでください。
※15分以上けいれんが続いた経験があるなど、再発リスクが特に高いお子さんに対しては、発熱時にけいれんを防ぐための坐薬(ダイアップなど)をあらかじめ処方し、使用方法を指導します。
乳幼児では、5種混合(または4種混合)のワクチンを受けていないお子さんがかかりやすい病気です。特に生後まもない赤ちゃんにとっては、呼吸が止まってしまう危険性もある深刻な感染症です。
初めは普通の風邪と区別がつきません。しかし、風邪薬を飲んでいても次第に咳の回数が多くなり、顔を真っ赤にして激しく咳き込んだ後、最後に「ヒーーッ」と苦しそうに息を吸い込む特有の症状(ウープ/ひきこみ)が現れます。この激しい咳の発作は夜間に多く、一晩に数十回もおよぶことがあります。乳児が感染した場合は、入院して治療と管理が必要です。
小学生以上のお子さんでは、乳幼児期に受けたワクチンの効果がだんだん切れてくるため、感染しやすくなります。高学年になるほど激しい咳が長く続き、症状が重くなりやすい傾向があります。熱もないのに2週間以上激しい咳が続き、だんだん悪化していく場合は、百日咳を疑って検査を行う必要があります。
百日咳の細菌に対して有効なマクロライド系などの抗菌薬(抗生剤)を処方します。薬を飲み始めても、すでに痛んでしまった気道の影響ですぐには咳は止まりませんが、体内の菌を死滅させ、周囲への感染を広げないために指示された期間は必ず飲み続けてください。
学校保健安全法により、「特有の咳(ひきこみ)が消えるまで」、または「適切な抗菌薬による治療を5日間完了するまで」は出席停止と定められています。医師が許可するまではお休みさせてください。
正式には咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)と言い、アデノウイルスという感染力の強いウイルスが原因です。夏にプールを介して学童の間に流行することが多いためこの名がありますが、プールに入っていなくても感染し、冬を含め一年中みられます。
39〜40℃の突然の高熱が4〜5日ほど長く続き、喉の痛みが強く、扁桃腺に白い膜(滲出物)がつくのが特徴です。また、目が真っ赤に充血して目やにが出る(結膜炎)症状も伴います。さらに頭痛、吐き気、腹痛、下痢などの消化器症状を伴うこともあります。
アデノウイルスに直接効く特効薬はないため、自然に治るのを待ちます。つらい熱や喉の痛みを和らげるための対症療法のお薬(解熱鎮痛薬など)を処方します。
● 高熱への対応:何日も高熱が続くので不安になるでしょうが、元気があるならむやみに解熱薬を使いすぎないようにしましょう。首やわきの下などを冷やすのも効果的です。
● 水分補給:喉の痛みが強いため食べられなくなりがちです。小まめに水分(麦茶、経口補水液、冷ましたスープ、ゼリーなど)を飲ませてください。
● 入浴:高い熱があるときや元気がないとき以外は、さっとシャワーで汗を流す程度なら入ってもかまいません。
● 家族への感染を防ぐ(超重要):アデノウイルスの感染力は非常に強力です。タオルの共有は絶対に避け、触れたおもちゃやドアノブは消毒し、お世話の後は念入りに石けんで手洗いをしてください。
● 喉の痛みが強くて水分が十分に摂れず、おしっこが半日以上出ていないとき
● 元気がなくてぐったりしているとき、あるいは高熱が5日以上長引くとき
学校保健安全法により、主要な症状(発熱、喉の痛み、目の充血など)が消えた後、「2日(48時間)が経過するまで」は出席停止と定められています。完全に熱が下がり、普段通り過ごせるようになってから登園・登校してください。
乳幼児の間で流行する夏風邪の一種で、原因はコクサッキーウイルスなどのウイルスです。38~40℃の突然の高熱が2~3日続きます。喉の奥に小さな水ぶくれ(水疱)や潰瘍ができて激しく痛むため、食べ物や飲み物を受け付けなくなります。ひどい時は水分も全く飲めなくなり、脱水症を起こすことがあるため注意が必要です。
ヘルパンギーナのウイルスに直接効く特効薬はないため、自然に治るのを待ちます。つらい熱や喉の痛みを和らげるためのお薬(解熱鎮痛薬など)を処方します。
● 食べ物:喉が痛いときは、噛まずにつるんと飲み込めるものを与えます(ゼリー、プリン、冷ましたお粥やうどん、豆腐などがおすすめです)。冷たいアイスクリームやヨーグルトは食べられることが多いです。
● 水分補給:酸味のあるオレンジジュースや、塩気のあるスープなどは傷口に強くしみるため嫌がります。麦茶、牛乳、冷ました白湯などを、スプーンやストローで少しずつ何度も小まめに与えてください。
● 入浴:熱が下がって元気があれば、シャワーで汗を流す程度なら入ってもかまいません。
● 喉の痛みが強くて水分をほとんど飲めず、おしっこの回数や量が明らかに減っているとき
● 高い熱が3日以上長引くとき
● 元気がなくてぐったりしている、何度も吐く、視線が合わないとき(髄膜炎などの合併症の注意が必要です)
熱が完全に下がり、喉の痛みが治まって普段通りに食事が摂れるようになれば登園可能です。手足口病と同様に、症状が消えた後も数週間にわたって便からウイルスが排出されるため、明確な出席停止期間は定められていません。目安としては元気になるまで数日間(4〜5日程度)のお休みになることが多いです。
正式には「ヘルペス性歯肉口内炎」と言い、単純ヘルペスウイルス(主に1型)の初感染でおこります。38~40℃の高熱が数日続き、口の中の粘膜や舌に小さな潰瘍(口内炎)がたくさんできて激しく痛がります。手足口病やヘルパンギーナと違い、歯ぐきが真っ赤に腫れて、触ると容易に出血するのが大きな特徴です。
口の中全体が猛烈に痛むため食べられなくなり、よだれが非常に多くなります。ひどい時は水分も全く飲めなくなり、乳幼児では脱水症を起こして点滴が必要になることも少なくありません。熱は4~5日でおさまりますが、口の中の痛みや腫れが完全に引くまでには1週間から10日ほどかかります。
発症初期であれば、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬(ゾビラックスやバルトレックスなどの内服薬)が非常に有効で、病期を短くすることができます。あわせて、熱や口の中の激しい痛みを和らげるためのお薬(解熱鎮痛薬の処方や、必要に応じて院内での局所処置など)を行います。
● 食べ物:口の中が痛いので、かまずにつるんと飲み込めるものを与えます。プリン、ゼリー、アイスクリーム、冷ましたおじや、とうふ、冷ましたグラタンなどが良いでしょう。
● 水分補給:十分な水分摂取が一番の鍵です。オレンジジュースなどの酸味の強いものや、塩気の強いスープは傷口に激しくしみるため絶対に避けてください。牛乳や麦茶、冷ましたみそ汁、冷ましたポタージュスープ、冷たい緑茶などがおすすめです。スプーンやストローで少しずつ、何回にも分けてこまめに与えてください。
● 入浴:高い熱があるときや元気がないとき以外は、シャワーでさっと汗を流す程度なら入ってもかまいません。
● 口の痛みが強くて水分をあまり飲めず、おしっこの回数や量が明らかに減っているとき(脱水症の疑い)
● 元気がなくてぐったりしているとき、あるいは高熱が5日以上長引くとき
学校保健安全法上、明確な出席停止期間の規定はありません。しかし、熱が完全に下がっており、口の中の痛みが落ち着いて、普段通りに水分や食事がしっかりと摂れるようになるまではお家で安静にする必要があります(通常は発症から1週間程度が目安です)。
「肺炎マイコプラズマ」という病原体(細菌に近い微生物)によって起こる肺炎で、幼児や学童(小学生・中学生)に多くみられます。初期は熱だけのこともありますが、次第にコンコンとした激しい咳が続き、痰が出ることも多いです。一般的な風邪薬や抗生剤を飲んでもなかなか咳が治まらない場合は、この病気を疑う必要があります。
比較的元気で熱が出ないケースもありますが、特に乳幼児や一部のお子さんでは重症化して入院が必要になることもあるため、適切な抗菌薬による治療が大切です。
胸のレントゲン検査(肺に白い影が写ります)や血液検査で診断がつきます。小学生以上のお子さんでは、喉の粘膜をこすって調べる迅速検査キットでもその場で診断が可能です。
従来はマクロライド系という種類の抗生剤(クラリスやジスロマックなど)が第一選択でしたが、近年はこれらが効きにくい「マクロライド耐性菌」が増加しています。マクロライド系を2〜3日服用しても熱が下がらないなど耐性菌が疑われる場合は、トスフロキサシン(オゼックスなど)や、8歳以上のお子さんではテトラサイクリン系(ミノマイシンなど)といった別の有効な抗菌薬へ変更して治療を行います。
学校保健安全法上、一律の出席停止期間は定められていません。目安としては、「適切な抗菌薬の内服を開始し、熱が下がって激しい咳が落ち着く(全身状態が良くなる)まで」はお休みさせてください。登園・登校再開のタイミングは主治医にご相談ください。
正式には「A群β溶血性連鎖球菌感染症」と言い、溶連菌という細菌が喉に感染しておこります。主な症状は、突然の38℃以上の発熱、喉の激しい痛み、体や手足に広がる細かく赤い発疹などです。また、舌の表面が赤くブツブツになる「イチゴ状舌」も大きな特徴です。感染力が強く、周囲の人にうつる病気です。
喉の粘膜をこすって調べる迅速検査を行い、その場で溶連菌がいるかを確認して診断します。
治療には適切な抗菌薬(抗生剤)の処方が不可欠です。お薬の種類によって5〜10日間(一部の薬では14日間)、指示された期間しっかりと飲み続けます。通常、お薬を飲み始めて1〜2日で熱が下がり、喉の痛みもきれいに消えます。
症状が良くなったからといって途中で薬を自己中断してしまうと、体内に残った菌が再発したり、重い後遺症(リウマチ熱や急性糸球体腎炎など)を引き起こしたりすることがあります。「症状が消えても、指示された通りに最後まで薬を飲み切ること」が非常に大切です。
※なお、周囲の方(きょうだい等)から再度もらい直すなどして繰り返すお子さんもいますが、毎回正しく最後まで抗菌薬を治療しきれば、現代の医療ではリウマチ熱になることはほとんどありませんのでご安心ください。
学校保健安全法に基づき、「適切な抗菌薬(抗生剤)による治療を開始した後、24時間が経過していること」、かつ「熱が下がって元気があること」が登園・登校の条件です。しっかりお薬を飲めば翌日~翌々日には復帰できることが多いです。
正式には伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)と言い、ヒトパルボウイルスB19というウイルスの感染によっておこります。両頬がリンゴのように真っ赤になるのが特徴で、続いて腕や太ももに網目状(レース状)の赤いまだら模様の発疹ができます。頬がほてったり、少し痒(かゆ)くなったりすることもあります。特別な治療をしなくても自然に治りますが、痒みが強いときは痒み止めの塗り薬や飲み薬を処方します。
妊婦さん(特に妊娠初期〜中期)がリンゴ病のウイルスに感染すると、お腹の赤ちゃんに重大な影響(胎児水腫や流産など)を及ぼす危険性があります。周囲に妊婦さんがいる場合は、接触を避けるよう十分に注意してください。
● 食べ物:いつも通りでかまいません。
● 入浴:お風呂に入ってもかまいません。ただし、熱いお風呂に長く入ったり体が温まりすぎると、一度消えかけた赤みが強く振り返して長引くことがあるため、ぬるめのお湯で短時間で切り上げましょう。
● 運動・日光:激しい運動で体が熱くなったり、日光(紫外線)に長く当たったりすると、長湯と同じように発疹の赤みが長引く原因になります。赤みが目立つ間は、外遊びやスポーツは少し控えめにしましょう。
● 痒みが強くなって寝られないとき
● 高い熱が出たとき
● 元気がなくなってきたとき、または関節を痛がるとき(年長児や大人では関節痛を伴うことがあります)
「頬が赤くなったとき(発疹が出たとき)」には、すでにウイルスを周囲にうつす時期(感染期)を過ぎています。本当に感染力が強いのは、その前の1〜2週間ほど前の「軽い風邪のような症状(微熱や鼻水など)」の時期です。そのため、本人が元気であれば登園・登校を控える必要はありません。